「かわさきジャズアカデミー」でデノンのHi-Fiフラッグシップ3000NEシリーズが大活躍
かわさきジャズアカデミー「伝説のレーベル スリー・ブラインド・マイス(TBM)で振り返る和ジャズの魅力」で、デノンHi-Fiフラッグシップ「3000NEシリーズ」が活躍。Bowers & Wilkins 804 D4と組み合わせ、TBMの名盤をLP/SACDで“いまの音”として体験した模様をレポートします。
デノンのHi-Fiフラッグシップ3000 NEシリーズで和ジャズを堪能する
デノンは、「かわさきジャズ」様によるジャズアカデミー第1回「TBMってなに?〜スリー・ブラインド・マイスで振り返る和ジャズの魅力〜」に際し、機材協力で参加しました。実はデノンブランドを保有する株式会社ディーアンドエムホールディングスの本社もこの会場からほど近い川崎市内ということもあり、今回の企画にご一緒することになりました。
今回の機材は、デノンのHi-Fiオーディオ機器と、Bowers & Wilkinsのスピーカーによる構成となっています。それぞれの機材が持つ個性を活かしながら、TBMの録音が持つ熱量や空気感を余すところなく再現することを目指しています。
今回の試聴は、スリー・ブラインド・マイス(以下TBM)の熱量あふれる録音と、名エンジニア 神成芳彦(かみなり・よしひこ)氏による骨太なサウンドを、デノンの「生々しい再現力」とBowers & Wilkinsの「正確かつ芸術的な表現力」が融合したシステムでお届けします。
TBMの作品は、演奏者の息づかいや空気の揺らぎまでを感じさせるような、濃密な録音が特徴です。その魅力を最大限に引き出すには、再生機材の質が極めて重要です。今回のシステムは、まさにその理想を追求した構成であり、SACDとレコードの両方を通じて、和ジャズ黄金期の響きを存分に味わっていただけると思います。このオーディオシステムによって、音楽が持つ本来の力──空間を満たし、心を揺さぶる力──を感じていただければ幸いです。SACDとレコード、それぞれのフォーマットが持つ魅力を、ぜひじっくりと聴き比べてみてください。

渡辺康蔵氏、塙耕記 氏が熱く語るTBMの真髄

写真左:渡辺康蔵
早稲田大学モダンジャズ研究会、日本コロムビア、ソニーミュージック等を経てフリーランスの音楽プロデューサー。日野皓正、ケイコ・リー、山本剛トリオ、山下久美子等をプロデュース。ザ・スウィンギン・バッパーズ創設時からサックス担当。著書に「ジャズ・エチュード殺人事件簿」。
写真右:塙耕記
1972年生まれ。ディスクユニオンで営業・制作部門を歴任し、1000作超のプロデュースで和ジャズの中心的存在。2022年に(株)ジャッジメントエンターテインメント設立、レコードショップ運営・レーベル事業等を手がける。著書「和ジャズ・ディスク・ガイド」。
トーク本編は、和ジャズブームの立役者であるお二方のナビゲートで進められました。お二方はTBMの再発音源にも深く関わっており、その深い知見から「和ジャズ」の真髄とも言えるTBMについて語っていただきました。デノンのHi-Fiシステムから再生されるサウンドを聴きながら、TBMの音楽と音の魅力について以下のよう語りました。
渡辺:TBMには“粘り”があるんです。単なる輸入文化ではなく、自分たちの生活の温度が混ざった、日本のジャズだと胸を張れる音。演奏者の息づかいや間合いが、録音の中にしっかりと刻まれているということを今日は再認識しました。
塙:TBMの録音を手掛けた神成芳彦氏の音はまさにドキュメントです。演奏者の呼吸、緊張感、そしてその場の空気までもが記録されている。音楽を“記録”するというより、“刻む”という感覚に近いですね。
また今回は同一音源(鈴木勲「Aquamarine」)によるレコード、SACDの聴き比べも行われました。参加者は、同じ楽曲でありながら、媒体によって変化する音の質感に耳を傾けました。
塙:SACDは、静寂感と低域の沈み込みが際立っていて、演奏の構造がとてもクリアに浮かび上がります。立ち上がりの鋭さもあって、音楽の骨格が見えるような感覚ですね。
渡辺:レコードは空気の押し引きが濃くて、胴鳴りのニュアンスが生々しい。演奏者がその場にいるような“場の温度”が立ち上がるんです。これは録音の質だけでなく、媒体の特性が生む魔法のようなものですね。これは今日のオーディオシステムが優れているから言えることですが。
他にもTBMの名盤を数多く紹介。以下の曲が再生されました。
1. 峰厚介/曲名: あさ/アルバム:「Mine」
使用フォーマット: レコード(LP盤)
1970年のTBM第1作目。スタンダード中心だった60年代から、アグレッシブなオリジナル演奏への転換を示す作品として紹介されました。
2. 鈴木勲カルテット/曲名: アクア・マリーン/アルバム:「Brow Up」
使用フォーマット: レコード(LP盤)、 SACD ※聴き比べを実施
TBM最初の大ヒットアルバムからの選曲。4ビートではなくフリーフォームなジャズで、チェロを含む編成が特徴。
3. 山本剛トリオ/曲名: ミスティ/アルバム:「Misty」
使用フォーマット: レコード(LP盤)
スリー・ブラインド・マイス最大のヒットアルバムからの選曲で、「生ピアノ」のような空気感と奥行きが際立つ点を評価。
4. 中本マリ/曲名: What a Difference a Day Makes/アルバム:「MARI NAKAMOTO Ⅲ」
使用フォーマット: SACD
ベース(鈴木勲)とギター(渡辺香津美)の最小編成で、SACDでのボーカル(ハスキーボイス)の質感を評価。
5. 中村照夫グループ/曲名: ウマ・ビー・ミー/アルバム:「Unicorn」
使用フォーマット: レコード(LP盤)
ニューヨーク録音のプロジェクトで、レアグルーヴのど真ん中の音像として世界中のDJやコレクターに人気が高い作品。
6. 宮本直介セクステット/曲名: ブルース /アルバム:「STEP!」
使用フォーマット: SACD
関西のローカルミュージシャンを中心とした編成。フランスのレーベルからライセンス発売され即完売した実績があり、海外では「熱さ」が評価されている作品。
7. 土岐英史カルテット/曲名: ララバイ・フォー・ザ・ガール/アルバム:「TOKI」
使用フォーマット: SACD
土岐のファーストアルバムからの選曲。ソプラノサックスによる演奏で、従来のアルトサックスの呪縛から離れた新しいスタイルが示されている点が特徴。
8. 今田勝トリオ/曲名: グリーン・キャタピラー/アルバム: 「GREEN CATERPILLAR」
使用フォーマット: レコード(LP盤)
TBMでは珍しいクロスオーバー的な内容(フュージョンの一歩手前)。都会的で洗練されたピアノとギターによるファンキーでグルーヴィーなサウンドを評価。
TBMはレーベルを超え、日本のジャズが“自分たちの音”を獲得していく軌跡の示しており、デノンのHi-Fiフラッグシップである「3000NEシリーズ」は、その軌跡を鮮やかに、広々と描き出しました。「音が目の前に立ち上がる」「SACDとレコードの違いがこんなに」「70年代の録音が古びない」——アンケートには驚きの声が並びました。デノンのサウンドフィロソフィー “Vivid & Spacious”が、TBMの記録を“現在形の体験”へと見事に甦らせた時間でした。
(編集部I)
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