2025東京インターナショナルオーディオショウレポート ― Hi-Fi編
国内外のオーディオが集う祭典「2025東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS 2025)」が、2025年10月17日(金)〜19日(日)の3日間、東京国際フォーラムで開催されました。デノンオフィシャルブログでは、その模様をレポートします。サウンドマスター 山内慎一による3000NEシリーズのセッションをお送りします。
「2025東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS 2025)」は第42回を迎え、33社が出展。200を超えるブランドの機器が勢ぞろいしました。
2025年は趣向を変え、ブランドごとのブースではなくHi-Fi製品を中心としたHi-Fiオーディオデモルーム(G510)と、ホームシアター製品を中心としたホームシアターデモルーム(G701)という2つの会場での展示となりました。
今回はHi-Fiオーディオデモルームで行われたセッションの一つ、サウンドマスター山内による「サウンドマスターが語る:3000NEシリーズを通して聴くデノンサウンド」の様子をレポートします。
こちらがHi-Fiオーディオデモルームの様子です。デノン、マランツ、Bowers & Wilkins、DALIのデモンストレーションが行われ、大勢のお客様にご参加いただきました。
サウンドマスターによる「3000NEシリーズを通して聴くデノンサウンド」
山内:ようこそいらっしゃいました。これまでデノンブースは7階でしたが、今年は5階にHi-Fiオーディオデモルームができましたので、こちらでデモをさせていただきます。私自身も5階は初めてで、気分は少し新鮮です。今日はデノンの3000NEシリーズ(PMA-3000NE、DCD-3000NE、DP-3000NE)で音楽とオーディオを楽しんでいただけたら嬉しいです。

デノンのサウンドマスター山内慎一
山内:今日のデモは前半がDCD-3000NEを使ったデジタル音源、後半がDP-3000NEを使ったアナログ音源でお送りします。できるだけ曲数を多めに、機器の力を体感いただけるように進めたいと思います。
ではさっそくですが最初はSara K.という女性ヴォーカルから。90年代録音のSACD再発盤です。声の立ち上がりやニュアンスとホールの空気の“立ち”を見ます。PMA-3000NEの押し出しは過度にならず、エッジを丸めずに芯だけを立てる。残響の末端がすっと闇に沈む感じ――この“静けさの品位”が今日の一つのキーワードです。
Sara K./Hobo「If I Don’t See You Later」
山内:続いて箏のLEOさんによるバッハの「無伴奏チェロ」を聴いてみましょう。
LEO/In A Landscape「無伴奏チェロ第1番よりプレリュード」
山内:(聴き終えて)弦の擦過音、胴鳴り、倍音の伸び……情報量の豊かさがリアリティを感じさせますね。見通しの良さはDCD-3000NEとPMA-3000NEの組み合わせの持ち味ですので、そのあたりを味わいながら聴いていただけたかと思います。
ではもう一曲、児玉 桃さんのドビュッシー「子供の領分」から聴いてみましょう。
児玉 桃/impressionsドビュッシーピアノ作品集から「《子供の領分》人形へのセレナード」
山内:(聴き終えて)打鍵後の減衰が濁らず、消え際に薄い光が残るような静けさがあります。とても細やかな強弱表現などがうまく伝わったのではないかと思います。
さて、ここで少し3000NEシリーズの設計の話をさせてください。まずPMA-3000NEについては、ミニマム・シグナルパスを徹底しました。配線はワイヤーからバスバーへ、回路段数は二段から一段と、最短・低ばらつきの伝送で純度を上げています。基板は多層化し、グラウンドと電源のインピーダンスを下げ、シールド性も確保。結果として「静寂の解像度」と「シャープなプレゼンス」が両立できています。
DCD-3000NEは全面刷新というより、効く所だけを深く攻めています。トランス下プレートやメカのトップカバーはA6061系アルミに変更し、熱処理・表面処理まで追い込みました。要所にカスタム音質パーツを使い、DACも世代更新。全部を替えるのではなく、音に効く場所を徹底的に磨く――そんな作りになっています。
では、ここからアナログ音源をお聞きいただきたいと思います。プレーヤーはDP-3000NEです。PMA-3000NEはPHONO EQ基板を独立配置し、筐体内のレイアウトを最適化しました。高ゲイン回路がノイズを拾いにくいよう、干渉対策を徹底的に詰めています。
アナログでの1曲目は坂本龍一「音楽図鑑」から「パラダイス・ロスト」を聴きましょう。聴いてほしいのは中低域のうねり。これがタイトに収束しており、かつゆったりした心地良さが途切れなく続く感じがうまく再現できていると思います。
坂本龍一/音楽図鑑「パラダイス・ロスト」
チック・コリア/リターン・トゥ・フォーエバー「クリスタル・サイレンス」
(試聴して)無音ではない静けさ、空気の揺らぎをとてもクリアに提示します。響きやメロディの美しさがダイレクトに再現され「聴こえない音」の輪郭が見えてくる感じです。
最後に、Earth, Wind & Fireをお聴きいただきます。アナログなのに、DP-3000NEで再生すると音のスピードは鈍りません。キックのタイトさ、スラップの瞬発や全体的な情報量の豊富さががそのまま躍動に変わります。リズムの“粘り”と“抜け”の両立を感じていただけると思います。
アース・ウィンド・アンド・ファイア/Raise! 「レッツ・グルーブ」
山内サウンドマスターによるHi-Fiセッションのレポートはここまで。今回のデモで特に個人的に印象的だったのは「静けさの品位」という言葉です。デジタル、アナログを問わず、背景にある「余白」の静寂が、音楽の躍動感を際立たせていました。微細な音のニュアンスからダイナミックなリズムまで、音楽の核をありのままに描き出す3000NEシリーズの実力を、肌で感じるセッションとなりました。
TIAS 2025の会場にお越しいただけなかった方も、ぜひお近くのオーディオショップで、この進化したデノンサウンドをご自身の耳で体感してみてください。
(編集部I)
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